AI時代だからこそ際立つ。「交通誘導」の現場で人が果たす独自の役割

警備業務について 豆知識・日記

keibi_ai

自動運転技術の進歩や、高度なAIカメラによる監視システムの普及。ニュースを見れば、テクノロジーが社会のあらゆる場面を変えようとしています。

「交通誘導」の分野も例外ではありません。技術の進化は目覚ましく、効率化できる部分は確実に増えていくでしょう。

しかし、現場の最前線に立つ私たちは実感しています。AIの力が不可欠になりつつある現代だからこそ、現場に「人」がいることの重要性もまた、これまで以上に高まっているのだと。

今回は、AIの現実的な評価と、それでも人間が必要とされる理由について考えます。

AIは「強力なサポーター」であることは間違いない

ai_keibi_01

まず、AIの能力を過小評価するべきではありません。特定のタスクにおいて、AIは人間を凌駕します。

例えば、24時間365日、一瞬も集中力を切らさずに定点監視を続けること。膨大な通行量データを分析し、最適な信号パターンを導き出すこと。これらは人間には真似できない芸当です。

単純な反復作業や、危険な場所での監視をAIやロボットが代替してくれるようになれば、警備員の負担は軽減され、より高度な判断が必要な業務に集中できるようになります。

AIは、現場の安全レベルを底上げしてくれる非常に頼もしい味方なのです。

それでも現場に「人」が必要な理由

ai_keibi_02

AIが優秀なサポーターである一方で、現場にはどうしても「生身の人間」でなければ対応できない領域が存在します。

1. 「文脈」を理解した柔軟な対応

AIはセンサーで「車が止まった」という事実を検知することはできます。しかし、「なぜ止まったのか」という文脈(背景)を理解するのは苦手と思われます。

  • 故障で動けないのか?
  • 道に迷って地図を見ているのか?
  • 体調不良で動けないのか?

現場の警備員は、ドライバーの表情や様子、周囲の状況から瞬時に理由を推察し、必要なアクション(声をかける、救急車を呼ぶ、後続車を迂回させるなど)を起こせます。この「状況に応じた柔軟な判断と介入」は、人間にしかできない高度なスキルです。

2. 最終的な「責任」を担う存在

交通誘導の現場では、時にドライバーや歩行者の行動を制限するような強い指示が必要な場面があります。

もし、AIの判断ミスで事故が起きた場合、誰が責任を取るのでしょうか。現在の法制度や社会通念上、最終的な安全確保の判断と責任は、現場の人間が担わなければなりません。

AIがアラートを出し、人間が最終確認をして実行に移す。この「最後の砦」としての役割は、人が現場にいるからこそ果たせるのです。

3. 「人がいる」こと自体が生む価値

不思議なもので、高性能な監視カメラが何台もある場所より、制服を着た警備員が一人立っている場所のほうが、ドライバーは自然と速度を落とし、歩行者は安心して横断歩道を渡ることができます。

これは理屈ではなく、人間が持つ「存在感」による抑止力と安心感です。 また、近隣住民の方と「おはようございます」と挨拶を交わすことで生まれる地域の信頼関係も、無機質な機械には築けない重要な価値です。

まとめ:AIと人の「協働」がこれからのスタンダード

これからの交通誘導は、「AIか人か」という対立構造ではありません。

AIが得意なデータ処理や常時監視を任せ、人間はそれらの情報を活用しながら、現場での複雑なコミュニケーション、イレギュラー対応、そして最終的な安全判断を行う。

AIという強力なツールを使いこなし、現場の安全をより確実なものにする高度なプロフェッショナル。 それが、これからの時代に求められる交通誘導警備員の姿であり、私たちが目指す未来です。

株式会社唯心 警備事業部について

221201_seminor_top

株式会社唯心 警備事業部は、東京都を拠点に建設・工事現場を対象とした警備事業を請け負っています。

会社名株式会社 唯心(YUISIN Co., Ltd.)
所在地〒111-0022 東京都台東区清川1-23-1
連絡先TEL 03-6458-1011(警備事業部代表)
設立日2012年11月6日
事業内容・総合警備事業
・葬祭関連事業

採用情報は、以下のページにてご確認ください。

↓唯心で働く警備士からのメッセージはこちら↓

関連記事

最近の記事

  1. 交通誘導警備業務検定(1級・2級)とは?現場目線でわかるメリット・試験内容・取得のポイント

  2. AI時代だからこそ際立つ。「交通誘導」の現場で人が果たす独自の役割

  3. チームで守る安全。交通誘導員に欠かせない“ホウレンソウ”の力